歯周病の治療について

歯周病ってどんな病気?

そもそも歯周病って?

歯周病とは、ブラッシング不足などの理由で歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにたまっていき、歯垢に潜む細菌が歯肉に炎症を引き起こす病気です。病気が進行すると、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)まで溶かしてしまい、最悪の場合、歯が抜けてしまいます。

歯周病を防ぐことは全身の健康を守ることにつながります

歯周病の影響は口腔内に留まらず、全身にも及びます。何らかの原因で歯周病の細菌が血管に侵入することで、狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気や脳梗塞などを引き起こす可能性が高まると言われています。また、糖尿病の方は歯周病の発症リスクが高まり、また歯周病になると糖尿病が悪化するとも指摘されています。このように、歯周病を治療、予防することは私たちの全身の健康を守ることにもつながるのです。

歯周病の症状について

歯周病がおこす悪影響について

歯周病は軽度の段階では自覚症状がなく、気付きにくい病気です。病気が進むことで「歯ぐきから出血がある」「歯がグラグラする」「口臭がする」といった症状が現れるようになります。歯周病は早期発見と早期治療が大切です。症状がなくても早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

歯周病の原因について

自覚症状がないまま進むため、早期発見が大切です

 

歯と歯肉の境目には歯肉溝(しにくこう)とよばれる浅い溝があり、
そこにたまった歯垢や歯石、バイオフィルムの中に住む細菌が歯周組織を破壊するのです。

 

・歯垢(プラーク)とは
一般的に「歯垢(プラーク)」とは、虫歯菌や歯周病菌をはじめとする微生物の固まりです。黄白色を帯びた粘着性の物質で、わずか1mgに数億から数兆もの細菌が潜んでいます。プラークは組織の約8割が水分で、残り2割が有機質。有機質の大半は細菌とその代謝物です。プラークが増えると、細菌が増殖して虫歯や歯周病、におい(口臭)などを招くことが分かっています。

・歯石とは
歯石(tartar)は、歯に付着したプラークが唾液に含まれるカルシウムやリン酸などと反応して石灰化し、石のように硬くなって歯の表面にくっついたものです。歯石は「死んだ細菌の固まり」であり、プラーク(バイオフィルム)のようにそのものが歯周病を引き起こす原因にはなりませんが、歯石の表面はデコボコしているのでプラークが付着しやすい状態です。そのため、歯石の上にプラークが付着して石灰化するとさらに大きな歯石となり、歯茎の炎症をさらに招く結果となってしまいます。このように、プラークが歯石になってしまうと歯磨きで取り除くのは不可能です。

・バイオフィルムとは
バイオフィルム(Biofilm)も、歯周病菌などの微生物やその代謝物の集合体です。ヌルヌルを指す言葉として登場してきたのが「バイオフィルム」です。

歯周病の進行の仕方について

健康な状態

歯肉は引き締まっていて淡いピンク色をしています。歯槽骨の吸収もなく歯根膜の破壊もない状態です。歯周ポケットも認められません。

歯周炎

歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起こり、歯周ポケットが形成されます。まだ、歯槽骨の吸収は認められません。

軽度(P1)

歯肉は炎症を起こし、少し赤みを帯びてきます。ブラッシングすると出血を伴います。この頃から歯槽骨の吸収が始まり、歯周ポケットは4mmほどになります。

中度(P2)

歯肉の炎症は進み、出血や排膿を伴います。歯槽骨の吸収も進行し、歯根膜も破壊されてきます。歯周ポケットは5~7mmくらいになります。

重度(P3)

出血や排膿を伴います。歯の動揺も著しくなります。歯槽骨は吸収され、歯牙を支える部分はほとんどなくなります。

当クリニックの歯周病治療

検査を行います。歯周の程度を調べます。

レントゲン撮影

歯を支える骨の状態や、歯ぐきの奥の歯石をチェックします。

染め出し

歯の表面についているプラーク(細菌)を専用の薬剤を使ってチェックします。

ポケット検査

専用の器具を使って歯ぐきの溝(ポケット)の深さを測ります。

ブラッシング指導

その人の口の中にあった適切なブラッシング指導を行い、PCR(プラーク・コントロール・レコード)80%を目指します

スケーリング

歯にこびりついた歯石を専門技術を習得した歯科衛生士が徹底的に除去します。

検査②(再び検査をして症状の判定をします)

1回目の検査により改善したところ、しなかったところを判断します。

スケーリング・ルートプレーニング

検査②でまだ改善していないところだけ歯肉の内側まできれいにします。(症例によっては麻酔を行う場合があります。)

定期的な検診を行うことにより、歯周病の再発を防ぎます。

検査③(再び検査をして症状の判定をします)

2回目の検査から改善したところ、しなかったところを判断します

歯周外科治療

検査③で改善していないところを外科的に治療していきます。

メインテナンス

歯周病の治療方法について

専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除いていきます

歯周病が発見された場合、歯周ポケットにたまっている歯垢または歯垢が硬くなった状態である歯石を取り除いていきます。専門的な知識と技術を持つ歯科衛生士が専用の器具を使って除去し、症状の改善を図ります。狭い歯周ポケットの深くに入り込んでしまった歯垢を通常のブラッシングで取り除くことは難しく、また歯石はブラッシングでは取り除くことができません。歯科医院で専門的な治療を受けることが必要です。

歯周病治療における再生療法

スケーリング

スケーリングとは歯面に付着した「歯石」を取り除く治療です。
歯科医師や歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる専用機器を用いて、歯面に付着した歯石を除去します。

デブライトメント・ルートプレーニング

デブライトメントとは、セメント質を傷つけることなく歯周病の原因となる「プラーク」を取り除く治療です。
ルートプレーニングとは、歯周病菌によって汚染されたセメント質を取り除くとともに、歯根面をなめらかにする治療です。

歯周外科治療(フラップ手術)

フラップ手術とは、歯槽骨の吸収が進行した重度の歯周病に対して行う外科処置です。
歯周病が進行してしまった部位の歯茎を切開し、歯根面に付着しているプラークや歯石を除去します。

レーザー治療

歯周病におけるレーザー治療とは、レーザーの光や熱によって、歯周ポケット内の歯石を取り除くとともに細菌を死滅させる治療です。

歯茎の再生治療

重度の歯周病の場合、歯周病が完治しても歯槽骨がすでに溶かされてしまっているため、歯が長く見えるようになるなど、見た目が損なわれてしまう場合があります。
歯周病の進行によって損なわれた歯茎の審美性を改善するのが、歯茎の再生治療です。

骨移植

骨移植とは、歯周病の重度化により歯槽骨が溶かされ、骨が少なくなってしまった部分に自分の骨(自家骨)や人工骨を移植し、歯槽骨を再生させる治療です。

エムドゲイン(歯周組織再生療法)

歯周病で溶けてしまった歯槽骨や歯根膜などの組織を回復させるために行う、歯周組織再生療法の一種です。
「エムドゲインゲル」の主成分は、歯が生えてくる時に重要な働きをするタンパク質の一種です。歯の成長過程に似た環境を再現し、歯根の周りの組織のセメント質の再生を促します。引いては骨の再生をも期待できます。骨は数年単位でゆっくりと再生されていきます。

GTR(歯周組織誘導法)

GTRは、歯周病によって溶けてしまった歯槽骨などの歯周組織を再生させる再生療法の一種です。
「GTR」は、メンブレンという膜を歯茎の中に挿入することで、歯肉の侵入を防ぎながら歯周組織の再生を誘導します。

日ごろから丁寧にブラッシングをして、再発を防ぎましょう

歯科医院で治療を行うほか、患者さんが日ごろから丁寧にブラッシングを行うことも欠かせません。歯周ポケットに歯垢がたまっていかないようにするためにも習慣的にブラッシングを行うようにしましょう。当院では患者さんに合った効果的なブラッシングの方法もお伝えしています。

歯周病の予防について

歯周病の治療が終わった後は、丁寧なブラッシングを心がけるとともに、定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことで予防の効果が高まります。くわしくはこちらをご覧ください。

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